水縹色(みはなだ)とは、明るく薄い色味で別名『みずはなだ』とも読まれます。『縹』とは藍染めで染められた青色を指し、そこに水という文字をつけることで、水を薄めたような淡い色という意となります。古くからある色名で、万葉集にもその名がみられます。
この色をブランド名につけたのは、青い空や水が好きだということと、私の誕辰和色だったことが理由です。
このサイトは私の好きなものにフォーカスして公開していきます。その好きなもののひとつがレザーです。
私がレザーに興味を持ったのは、たまたまついていたNHKのTV番組で、野谷久仁子さんが一枚革で作るポシェットを最初の工程から丁寧に紹介されていたのを見たときでした。彼女を知るひとは多いと思いますが、株式会社吉田(吉田カバン)創業者、吉田吉蔵氏の娘であり、デザイナーとして活躍されている著名人です。
彼女曰く、『縫い締めたときに縫い目がふっくらと、なんともいえない表情に仕上がります』という言葉通り、テレビの画面に映った革製品の美しさに、私はすっかり目を奪われてしまいました。
それからほどなくして、ヌメ革を手に入れた私は、野谷久仁子さんが製作したポシェットを真似して意気揚々と作ってみました。うまれて初めて作った革小物は当たり前ですが彼女のように規則正しい縫い目にはならず、アシンメトリーなポシェットとなりました。それでも作っているときの楽しさ、革を裁断する際の緊張感や麻糸で縫い締めるときの無心になる集中力は、私に新しい世界を与えてくれたのです。
革の魅力は奥深く、特にヌメ革はなめした皮の香りがなんとも言えません。個人差はあるかと思いますが、私にとっては癖になる香りで、それもレザーにはまる理由のひとつとなっています。
